男っぽい女性に、一度でも心を動かされたことはあるだろうか。
サバサバしていて、決断力があって、弱音を吐かない。女性らしい媚がなく、飾らない。でもふとした瞬間に見せる、小さな柔らかさ。その落差に、気づいたら惹かれている。自分の中身が男っぽいと言われてきた女性たちに話を聞いてきた。彼女たちが語る言葉には、外から見るのとは全然違う内側が詰まっていた。強く見えているけど、本当は不安だった。男っぽい自分が好きじゃなかった。でも、そのままでいいと言ってくれる人と出会って、変わった。
下北沢の居酒屋で彼女は、グラスを片手に話し始めた
初めて会ったのは金曜の夜。下北沢の古い居酒屋で、20代半ばの女性が私の向かいに座っていた。
「私、よく男っぽいって言われるんですよ」
笑いながら言ったが、その笑いの裏に少し複雑なものがあった。
「大学時代からスポーツ万能で、男友達とゲームしたり、バイクの話したりするのが普通で。恋愛は苦手だと思ってた。女らしくないって自分でも思ってたから」
彼女はビールを一口飲んだ。
「社会人になって出会った彼と付き合い始めて、変わったんです。初めてのデートで、彼が道を譲ろうとしたら自然にリードしちゃって、後でごめん、男みたいでって謝ったら彼が大笑いして。それがいいんだよって言ってくれた」
私は聞いた。それで何が変わったんですか?
「男前な自分を隠さなくていいんだって思えた。それだけで、すごく楽になった」
彼女は少し照れながら続けた。
「仕事で失敗して落ち込んだ時、彼の家に押しかけてビール買っていって、愚痴吐き出して、酔った勢いで泣きそうになったら、彼がそっと抱きしめてくれた。その強さが好きだよ、たまには甘えろって言われた時に、初めて好きって素直に言えた」
中身が男っぽい女性が、恋愛で本音を出せない理由
ここから本題に入る。中身が男っぽい女性は、恋愛でなぜ本音を出しにくいのか。
30代前半の女性が、自分の内側について語ってくれた。
「外ではしっかりしてる。頼られるの好きだし、リードするのも自然にできる。でも恋愛では、その姿が邪魔をする時がある」
彼女は少し目を伏せた。
「こっちからリードしてしまうと、相手が居心地悪そうにする時がある。あるいは、俺がやるからって引かれてしまう。男っぽい自分が、距離を作る場合がある」
私は聞いた。それはつらくなかったですか?
「つらかった。女らしくない自分を変えなきゃって思った時期もあった。でもそれをしようとすると、自分じゃなくなる感じがして」
彼女は続けた。
「今の彼は、そのままでいいって言ってくれる。男前な自分を男として認めてくれる感覚がある。その安心感が、初めて弱さを出させてくれた」
強く見える女性の内側にある、想像以上の繊細さ
20代後半の女性が、自分が強く見られることの孤独について語ってくれた。
「友達から姉御肌って呼ばれてて、みんなの相談役みたいな立場。でも私が弱い時、誰に頼ればいいか分からなかった」
彼女は少し声を落とした。
「強い人間が悩んでも、周りに相談しにくい。心配させたくないし、裏切られたくないし、弱みを見せると立場が変わる気がして。だから全部一人で抱えてた」
私は聞いた。今の彼には話せますか?
彼女は頷いた。「話せる。彼が弱い女より強くて一緒に戦える女がいいって言ってくれたから。その言葉が、弱いとこ見せても大丈夫なんだって思わせてくれた」
ギャップが恋を深める、男っぽい女性が特別な理由
ここで、パートナー側の視点を聞いた。
20代後半の男性が、中身が男っぽい彼女との関係について語ってくれた。
「彼女は飲み会では男友達みたいに豪快に笑って、仕事の愚痴もズバズバ言うタイプ。デートで道に迷ったら、地図アプリより先に自分で判断して歩き出す。重い荷物は当然のように持ってくれる」
彼は少し笑いながら続けた。
「最初は女の子なのにって驚いたけど、実はそれが心地よかった。ある夜、傘を忘れて彼女の家に寄ったら、泊まっていけよってサラッと言われて。暗闇で俺、意外と甘えん坊かもってつぶやいたら、バカ、こっち来いって腕を引っ張られて肩に頭を乗せてくれた」
彼は少し目を細めた。
「普段の男っぽい彼女が、あの優しい声で守ってくれるのが嬉しくて。この子とずっと一緒にいたいって本気で思った。朝起きたらコーヒー淹れてくれて、照れ隠しに早く仕事行けよって背中叩かれたけど、目が優しかった」
タイヤ交換を一緒にした夜、初めて結婚を意識した
30代前半の女性が、ドライブデートの出来事について語ってくれた。
「タイヤがパンクした時、私がジャッキ上げて交換しようとしたら彼が止めて、俺がやるって。でも一緒にやろうぜって手伝ったら、二人で笑いながら作業した」
彼女は少し照れながら続けた。
「汗だくで終わった後、俺、女らしくないよなってぼやいたら、そんなとこが最高だって言ってくれた。弱い女より強くて一緒に戦える女がいいって」
私は聞いた。その言葉は刺さりましたか?
「初めて結婚したいって思った瞬間だった。男っぽい私を、欠点じゃなく魅力として見てくれた人が、初めてそこにいた」
長年連れ添った夫婦が証明する、男っぽい女性との関係の本質
40代前半の男性が、10年連れ添った妻について語ってくれた。
「妻は家事も仕事もバリバリこなして、趣味は釣りや車いじり。俺より男前だってからかうけど、それが愛情なんです」
彼は少し遠い目をした。
「疲れて帰ってきた時、風呂沸かして飯作っといたぞって言ってくれて、ソファで寄りかかったら頭を撫でてくれる。たまには甘えろよ、バカって言いながら」
私は聞いた。その関係、最初から自然でしたか?
「最初は戸惑いもあった。俺がリードしなくていいのかって。でもだんだん分かってきた。男っぽい妻のおかげで、俺は弱いところを出せる。強い妻がいるから、俺は正直でいられる」
彼は続けた。「中身が男っぽい女性と結婚してよかった。年齢を重ねても彼女の強さが家族の柱になってる。毎日刺激的で、愛が深まる」
中身が男っぽい女性に惹かれる男性が、絶対に言ってはいけない一言
ここで、男性が無意識にやってしまう失敗を聞いた。
20代半ばの女性が、嫌だった言葉について語ってくれた。
「女の子なのに、って言われると、心が冷める」
彼女は少し真剣な表情で続けた。
「女の子なのにしっかりしてるね、女の子なのに頼もしいね。その女の子なのにが、毎回ひっかかる。私が女じゃないみたいに聞こえる」
私は聞いた。じゃあどう言えばいいんですか?
「そのままを褒めてほしい。女の子なのにじゃなく、ただ、頼もしいって。女性として見てくれながら、男っぽい部分も否定しない。その両方ができる人が好き」
彼女は続けた。
「今の彼はそれをできる。それがいいんだよって言い方が自然で、嫌みがない。そういう受け止め方をされると、本当に安心できる」
中身が男っぽい女性が、弱さを見せる瞬間
ここで、普段の強さの裏にある瞬間を聞いた。
30代前半の女性が、弱さを初めて見せた時のことを語ってくれた。
「普段リードしてるのに、ある夜、急に泣きそうになって。弱いところ見せたくないのに、って呟いたら彼が抱きしめてくれた」
彼女は少し目を潤ませた。
「その強さが好きだよって言ってくれた。強さを評価しながら、弱さも受け止めてくれた。その瞬間、初めて甘えてもいいんだって思えた」
私は聞いた。それまでは甘えられませんでしたか?
「一度も。弱いとこ見せると、失望されると思ってた。男っぽい女が弱いところ出したら、がっかりされると。でもそれは思い込みだった」
彼女は続けた。「強く見える女ほど、受け止めてくれる人を探してる。ただ見つからなかっただけで」
