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離婚後すぐ再婚はうまくいくのか分かれ目は、速さではない

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離婚後すぐに再婚しようとすると、たいてい、周りから同じ言葉が飛んでくる。早すぎる、落ち着いてからにしろ、と。言われた側は、少しむっとして、自分の人生なんだから、と反発したくなる。その気持ちも、よく分かる。ただ、この、早すぎる、という心配は、実は、的を少し外している。

離婚後すぐ再婚がうまくいくかどうかを決めているのは、離婚から何ヶ月経ったか、という時間ではない。もっと別の、一つのことだ。それが見えると、周りに何を言われても、そして自分の胸の内を確かめるうえでも、判断の軸ができる。

目次

早すぎるは、たぶん的を外している

まず、世間の心配の、ずれを直したい。早すぎる、という言葉は、危険の在りかを、時間だと思っている。でも、速さそのものは、危険ではない。

固まった土台の上でなら、二ヶ月後の再婚でも、うまくいく。逆に、癒えていない傷の上でなら、三年待って再婚しても、崩れる。つまり、リスクは、速さではなく、傷が癒えているかどうかのほうにある。周りが心配しているのは、正しくは、あなたがまだ立ち直っていないかもしれない、ということなのに、それを、早すぎる、という時間の話にすり替えてしまっている。だから、あなたが自分に問うべきなのも、これは早すぎないか、ではない。もっと別の問いだ。

本当の分かれ目は、誰に向かうか、何から逃げるか

その問いとは、これだ。あなたは、その人に向かって再婚しようとしているのか、それとも、離婚後の痛みから逃げて再婚しようとしているのか。

想像してみてほしい。土砂降りの雨の中に、一人で立っている。そこで、目当ての場所へ向かって歩き出すのと、とにかく濡れたくなくて、いちばん近い軒先に駆け込むのとは、まるで違う。後者で選ぶ屋根は、その屋根が良かったからではなく、ただ、雨じゃないから、選ばれている。離婚後の再婚にも、同じ二つがある。この人がいいから選ぶのか、一人の寂しさや、傷の痛みから逃げたくて、そばにいてくれる誰かを選ぶのか。見分ける問いは、シンプルだ。もし今、寂しくも、傷ついてもいなかったとして、それでもあなたは、この人を選ぶだろうか。迷わずうなずけるなら、速さは問題にならない。うなずけないなら、速さのほうが、あなたの代わりに、相手を選んでしまっている。

すがりたい、リセット、埋める、は逃げの言葉だ

自分の動機を、正直に見てみるといい。傷が深いから、信頼できる誰かにすがりたい。前の結婚を、新しい結婚でリセットしたい。一人の孤独を、埋めたい。勢いで決めた。これらは、一見、再婚の理由に見える。でも、よく見ると、全部、相手そのものではなく、自分の痛みのほうを向いている言葉だ。相手は、痛みを和らげる道具の位置に置かれている。すがる、リセット、埋める。この言葉が自分の中に強くあるなら、あなたが向き合っているのは、その人ではなく、まだ癒えていない自分の傷のほうかもしれない。

子どものために急ぐ、の落とし穴

もう一つ、注意したい動機がある。子どものために、早く安定した家庭を取り戻したい、という思いだ。

これは、とても立派に聞こえる。だからこそ、落とし穴になりやすい。子どもの痛みを早く消したくて、時間に追われながら、新しい親を選ぶ。それは、愛情のようでいて、実は、焦りから選んでいる。そして、子どもにとっては、不安定なひとり親の家庭よりも、慌てて作られた新しい家庭が、二度目の大きな変化として、かえって重くのしかかることがある。子どもに必要なのは、新しい親が早く来ることより、目の前の親が、ちゃんと落ち着いていることのほうだったりする。子どものため、という言葉が出てきたときこそ、それは本当に子どものためか、自分の焦りを子どものためと呼んでいないか、を確かめたい。

離婚直後のこの人だという確信は、少し疑っていい

ここで、耳に痛いかもしれないことを言う。離婚直後に感じる、この人だ、という強い確信は、少しだけ、割り引いて見たほうがいい。

離婚したての心は、傷つき、消耗し、比較にさらされている。そんな状態のときに、優しくされると、それは救いのように感じられる。前の相手や、一人の寂しさと引き比べて、新しい人が、実際以上に輝いて見える。これは、判断が冴えているのではなく、むしろ逆だ。優しさが、愛に見える。ほっとした気持ちが、相性の良さに見える。感情が敏感になっているから本物を見極めやすい、という話を聞くことがあるが、たぶん、それは反対だ。敏感になっているからこそ、本物でなくても、これだ、と感じてしまう条件が、そろっている。その強烈な確信は、間違いとは限らないが、疑ってかかるくらいで、ちょうどいい。

傷は移らないが、気づいていない癖は移る

そして、これがいちばん大事かもしれない。離婚後すぐの再婚には、ある工程が、まるごと飛ばされている、という問題がある。

前の結婚が、なぜ壊れたのか。その中で、自分は、どんな役割を果たしていたのか。この振り返りだ。すぐに次へ進むと、ここを通らずに済んでしまう。もし離婚の原因の一部が、自分の何か、たとえば、揉めたときの態度や、向き合うのを避ける癖や、相手に求めすぎる傾向にあったのだとしたら。それに気づかないまま再婚すると、その同じ癖を、二度目の結婚に、そっくり持ち込むことになる。傷そのものは、新しい相手には移らない。でも、気づいていない自分の型は、しっかり移る。うまくいった人たちが、前の失敗を活かして、と口をそろえるのは、偶然ではない。彼らは、何かを、ちゃんと消化していた。速いことが問題なのではない。振り返らずに速いことが、離婚を繰り返させる。必要なのは、時間ではなく、この振り返りのほうだ。

周りの声は無視していい。自分の声は、無視しないで

ここまで来ると、周囲の反応との付き合い方も、見えてくる。早すぎる、という外野の声は、基本的に、無視していい。あなたの人生を生きる覚悟は、正しい。

ただ、一つ、気をつけたいことがある。外からの、早すぎる、を振り払うのは、簡単だし、少し勇ましくて、気持ちがいい。だから、その勢いで、自分の中の小さな声まで、一緒に振り払ってしまいやすい。周りの心配は無視していい。でも、夜中にふと、自分は選んでいるのか、逃げているのか、と問うてくる、自分自身の声のほうは、無視しないでほしい。外の雑音と、内側の信号は、別ものだ。前者は聞き流していいが、後者は、たいてい、何かを知らせている。

速いことは勇気でも、遅いことは賢さでもない

離婚後すぐの再婚には、世界一幸せなカップルもいれば、離婚の痛みを、そっくり次の関係に引っ越しただけ、という結末もある。そして、カレンダーは、あなたのがどちらなのかを、教えてはくれない。

それを教えてくれるのは、誰に向かい、何から逃げているか、という、自分への正直な答えだけだ。しかも、正直に答えたところで、絶対の保証は、どこにもない。再婚に、確実な正解は、ついてこない。だから、覚えておきたいのは、これだ。すぐ再婚することは、勇気ではないし、時間を置くことも、賢さではない。速いか遅いかは、本質ではない。大事なのは、自分が今、何をしようとしているのかに、正直でいられるか、ただそれだけだ。

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