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結婚はしたくないけどパートナーは欲しい女性へ。いい選択だけど、自分で足すものがある

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週末は、一緒に旅行に行ったり、映画を観たりする相手がいる。でも、平日は自分のペースで、仕事にも趣味にも没頭できる。姓も、親族付き合いも、家庭の役割も、抱え込まなくていい。パートナーがいる安心感はありながら、一人の時間も、ちゃんと守れている。結婚はしたくないけどパートナーは欲しい。そう考えて、この形にたどり着いた女性は、増えている。周りに、結婚しないの、と聞かれても、今がちょうどいい、と笑っていられる。

先に言っておくと、この選択は、まっとうだ。何もおかしくない。ただ、幸せそうな体験談が、あまり語らないことが、いくつかある。この形が、実は、あなたに何を要求してくるのか、という話だ。

目次

まず、その選択は、まっとうだ

念のため、はっきりさせておきたい。結婚はしたくないけどパートナーは欲しい、という考えは、わがままでも、中途半端でも、いつか後悔する未熟な段階でもない。

人を深く好きになり、そばにいたいと思う気持ちと、結婚という制度に入りたいかどうかは、そもそも別の問いだ。前者は欲しいが、後者は要らない、というのは、矛盾ではなく、単に、二つを分けて考えられている、というだけのことだ。だから、周りからの、そろそろ結婚を、結婚しなきゃ、という声は、基本的に、聞き流していい。制度に入ることが幸せの唯一の形だ、という思い込みは、もう、みんなが共有する前提ではなくなっている。ここまでは、自信を持っていい。問題は、この先だ。

でも、本当の落とし穴は、周りの目ではない

多くの記事は、この話を、世間の目とどう付き合うか、に寄せて語る。でも、この形の、本当の落とし穴は、外野ではない。二人の間にある、言葉にしていない前提のほうだ。

結婚には、一つ、見えない効能がある。二人で同じ未来を作るのか、という話し合いを、強制的にさせる、ということだ。籍を入れるかどうか、という一点が、価値観のすり合わせを、否応なく引き起こす。結婚しない、という道を選ぶと、その強制力が、なくなる。つまり、同じ未来を見ているか、という確認を、誰にも急かされないまま、自分たちで、意図して、やらないといけない。

結婚の話を避けるのは、うまくいっている証拠ではない

ここで、いちばん危ないのが、結婚の話は一切しない、という状態だ。それは、うまくいっている証拠のように見えて、実は、片方が、これは一生この形だと思い、もう片方が、いつかは、と思っている、というズレを、覆い隠しているだけかもしれない。この形がうまくいっている二人は、話題を避けている二人ではない。結婚しない、が、それぞれにとって何を意味するのかを、ちゃんと言葉にして、揃えている二人だ。

結婚したくない、は三つの違うものを隠している

そのすり合わせのために、まず、自分の、結婚したくない、が、何を指しているのかを、はっきりさせたい。この一言は、実は、まるで違う三つのものを、隠していることがある。

一つ目は、制度そのものが要らない、という気持ち。姓や、親族や、社会的な役割は御免だが、一人の人と一生添い遂げること自体には、抵抗がない。二つ目は、自分のペースを失うのが嫌だ、という気持ち。生活を丸ごと融合させたくないだけで、深い関係は欲しい。三つ目は、ずっと、に縛られたくない、という気持ち。永続的な約束はしたくなくて、その時々の心地よさで、一緒にいたい。

この三つは、似ているようで、相手にとっては、まったく違う契約だ。一つ目や二つ目なら、生涯のパートナーとも両立する。でも、三つ目は、それとは別の話で、相手には、それを知る権利がある。自分がどれなのかを分かっていないと、相手は、自分が勝手に思い描いたどれか、に合意していることになってしまう。

結婚に標準装備されているものは、この形にはつかない

もう一つ、幸せな体験談が、見事に触れないことがある。結婚に、いわば標準装備されている、保護の話だ。

結婚には、法律上、いくつかの守りがついてくる。相続や、いざというときの医療の決定や、財産や、別れる際の取り決め。こうしたものは、婚姻関係には、自動的についてくる。でも、結婚しないパートナー関係には、原則、ついてこない。これは、この形をやめる理由ではない。そうではなく、目を開けたまま選び、結婚が用意してくれたはずの守りを、自分たちで、意図して用意しておく、という話だ。何を備えておけるかは、一度、きちんと調べておく価値がある。私は専門家ではないので、詳しくは、その道の人に相談してほしい。

とくに、守りが必要になる人がいる

そして、この標準装備がない、という点が効いてくるのは、関係が長く、深くなるほど、なのだ。とくに、子どものいるシングルマザーや、人生の後半を共にする年代のカップル、あるいは、現状の日本では法的に結婚できない同性のカップルにとっては、決して小さな問題ではない。自由を選ぶことと、無防備でいることは、同じではない。守りは、制度の外でも、自分たちの手で、ある程度は作れる。

自由と安心は、少し逆を向いている

さらに、体験談が、理想の形、とさらりと書くところにも、正直に言えば、綱引きがある。自由と、安心は、実は、少しだけ、反対を向いている。

別々の家に住み、財布も分け、共同の未来設計もしない。独立を守れば守るほど、そのぶん、自然に積み上がっていくたぐいの安心は、育ちにくくなる。逆に、深く根を張り、生活を絡ませていけば、安心は増すが、その代わり、自由は少し削れる。だから、パートナーがいる安心と、一人の自由を、両方とも最大で手にする、というのは、放っておいて手に入る、完成された状態ではない。二人で、そのつど、調整し続ける、生きた綱引きなのだ。ときどき、これでいいのかな、と手入れが必要になっても、それは、失敗ではない。この形が、そういうものだ、というだけのことだ。

一生しない、ではなく、今はこの形、でいい

そして、時間の話も、しておきたい。外からの、結婚しないの、を聞き流すのは、正しい。ただ、気をつけたいのは、変わるかもしれないのは、あなたや、相手のほうだ、ということだ。

今は、心から、結婚は要らない、と思っていても、数年後、どちらかの気持ちが動くことは、ある。片方が、もっと欲しくなる。子どもを考えたくなる。あるいは、やっぱり籍を、と思う日が来る。そのとき、大事なのは、一生しない、と一度宣言した約束を、意地でも守り抜くことではない。変わった気持ちを、また、二人で話し合えることのほうだ。だから、この形は、永久に固定する石碑ではなく、そのつど更新していける、生きた合意だと考えておくといい。今はこの形が、いちばん心地いい。それで、十分だ。ずっと、を、今、決めきらなくていい。

既製品じゃない関係を、自分の手で仕立てる

結婚はしたくないけどパートナーは欲しい、という選び方は、いってみれば、既製品ではなく、自分たちで仕立てる関係だ。既製の結婚には、いろいろなものが、最初からセットで付いてくる。守りも、未来の話し合いも、役割も、良くも悪くも。あなたが選んだのは、その付属品を外して、欲しいものだけを、自分の手で選び取る道だ。

だから、この形は、自由なぶん、何もかもが、自動では付いてこない。守りも、すり合わせも、安心も、全部、自分たちで、意図して足していく必要がある。それは、確かに、結婚より、手間がかかる。でも、その手間こそが、この関係を、誰かに用意された型ではなく、二人だけの、自分たちのものにしていく。幸せそうな体験談は、本当だ。ただ、その幸せは、放っておいて続くものではなく、自分の手で、こまめに仕立て直していく人の、手元にある。

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